
先月のことですが、なら100年会館の構造設計をされた川口衛氏が自らホールを案内して下さるという見学会があり、大喜びで行ってきました。意匠設計はこれまた世界的な建築家、磯崎新氏です。
この建物は楕円形の平面形状をしていて、外壁には瓦タイルが使われています。
建物も素晴らしいですが、建て方にびっくりします。「パンタドーム工法」という方法で外壁ごと一気にジャッキアップして建てられています。
屋根も地上に近い位置で組み立て、楕円の内側に折り曲げられた柱を外側に倒しながら徐々に伸ばしていって伸びきったところで完成形になるというもの。言葉にすると訳がわかりませんが、川口さんのホームページに載っている写真を見ると一目で分かります。
→川口衛構造設計事務所

これがその折点のヒンジ。意匠的に見せられています。
大阪万博のお祭り広場も地上で作ってジャッキアップしたもの。その構造も川口さんがされていて、地上での作業による安全性や高品質、工期短縮、経済性などのメリットがあるそうです。
100年会館の迫力はそんな建て方も影響しているのでしょう。